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原発震災テーマ 避難体験元に演劇企画
2012年8月31日

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福島から避難した体験を台本にした新妻秀一さん


◆「静岡の人に伝えたい」

 福島第一原発事故で避難生活を強いられている福島県川内村の農家、新妻秀一さん(58)の体験を元に、浜松市民が演劇を作る。テーマは「原発震災」で、十一月の上演開始を目指す。新妻さんらは「東海地震と浜岡原発を抱える静岡の人に福島であったことを伝えたい」と話している。

 新妻さんの自宅は、原発から二十三キロ。事故発生から四日後の二〇一一年三月十五日、小学五年生の長男とぜんそく持ちの四年生の次男を連れ、軽自動車で川内村を離れた。

 「できるだけ遠くに行こう」と車中泊を繰り返し、ガソリンが尽きた時に、たどり着いた埼玉県所沢市のアパートに今も暮らす。

 支援を受けて所沢で農業を再開するなど少しずつ生活が落ち着いてきた。同時に「どうしてこんなにつらい目に遭わなければいけないのか」と、あてもなくさまよった当時の記憶は薄れ始めた。

 今年に入って新妻さんは「記憶が残る今のうちに当時の経験を伝えなくては」と思い、これまで芝居とは縁がなかったが「母親と子どもに伝わりやすい」と演劇を選んだ。インターネットで探し、所沢にたどり着くまでを書いた台本を、全国の劇団に送った。

 この台本が、浜松市で演劇を企画する「TOMO☆PROJECT」(トモ・プロジェクト)の代表、松尾交子(ともこ)さん(40)=東区=の目に留まった。

 「時間がたつにつれ事故への関心が薄れるのでは」と危機感を抱いていた松尾さんは、舞台化を即断した。

 新妻さんが初めて書いた台本をそのまま使うのは難しく、発生の十一日から避難する十五日までに焦点を絞って、松尾さんが作り直すことになった。

 松尾さんは、新妻さんの体験を土台に「命とお金」の問題を考える作品にしたい、と話しており、雇用など地元への原発の恩恵も盛り込むという。

 浜松市などで一般向けのほか、小中学校でも上演したい考えで、平日の日中に稽古ができる役者やスタッフを募集中。未経験者も歓迎する。松尾さんは「福島から静岡に避難している人に話が聞ければ、参考にしたい」と希望している。

 問い合わせは、TOMO☆PROJECT=電053(571)4669=へ。

(立石智保)


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